序論
今日は1年最後の主日礼拝である。 今は1年を始める大切な時だから、よい1年にしたい、幸せで、健康で…皆そう願う。その為に、1年間のすべてを年内に整理整頓しようとする。人生においても、信仰においても、途中で今までのことを整理することは大切なことである。歩みを正しくするため、また矯正するために。その為に、この年末は良いチャンスである。自分自身や信仰を客観的に見て、新しくスタートできるから。どんな人にも一度立ち止まって、点検をする中間決算が必要である。年末を迎えて、御言葉を通して、今一度、私たちの信仰の中間決算をしてみよう。 本論;良い管理者となって決算日の為に忠実に毎日を過ごすには 中間決算をするためには、本決算を見据えて今までの自分を反省し、今までの結果をだし、 本決算への再スタートを切らなければならない。その為には ① 自分の賜物を認識すること 今日の聖書に出てくるタラントとは、その人に備わった特別な才能を意味する英語のTalentだが、ここでは主人が与えた財産のことを言う。与えられたタラントも、そのタラントを管理する能力も、すべて神が与えてくださったもの。自分の持っているもの…見える物も、見えない物も…すべて神から与えられたもの。全てのキリスト者は、神から委託されたタラントの管理者。1タラントといえば、当時の労働者の6千日分の日給。一番少ないしもべでも、6千日分の日給の賜物が与えられている。主の御国の働きの為に、最低でも6千日分の日給に相当する重要な働きをする者として、召されている。自分に与えられている賜物を、良く認識してほしい。 ② 標から目を離さないこと 全ての賜物の使い方には、主の前で清算する日がやってくる(19節) 与えられ、ゆだねられた責任に正しく応えなければならない。忠実に管理、運用する時、それが最後の決算の時に自分の持っているものとなり、評価を受ける。「たくさんのものを任せよう」(21,23節)つまり、天の御国を受けることである(14)天の御国でキリスト者は、神とキリストとの王的支配に参与し、全世界を管理する勤めを与えられている。(黙示録2:26~27、22:5)この与えられている約束を理解し、覚える時、信仰が生き生きとし、人生の歩みも変わる。その日を待ちながら、その日のために準備するようになる。天国で任せられる主の財産に比べれば、例え5タラントであったとしても、わずかなもの。天でたくさんの物を任せられる者となるよう、地上でわずかなものにも忠実であるように。(ルカ16:10)神から与えられたものを、いかに実現するかは、人間の問題である。 最近日本のサッカー選手で本田圭佑選手が、イタリアのミランというチームに移籍したニュースをテレビで放送していた。彼の小学校6年生の時書いた作文「将来の夢」が紹介された。「僕は、将来世界一のサッカー選手になる。世界一になるためには、世界一練習しなければならない。…外国から呼ばれて、セリエAに入る。…など」 彼はその目標の為に、毎日トレーニングの日記をつけていたそうである。与えられた能力、賜物をよく自己管理したそうである。元々素質がある上に、更に目標に向かって努力した彼は、夢であったミランに入った。 信仰にも目標がある。信仰を最後まで守り、与えられた賜物をよく活用し、神と人のために生き、良き実を結び、主が来られる日、良いしもべと言われること。私達はこの目標から目を離さないようにしよう。この世では、始まりがあれば、必ず終わりがある。主が来られたら、全ての苦労、わずらいが終わり、永遠に主とともに天国で生きることができる。 ③ 日々の霊的訓練 また、良いタラントの管理者となり決算日の為に日々忠実に過ごすためには、毎日の霊的訓練が必要である。悪いしもべは、主人を悪い人と思う間違った見方をしていた(24~25)また、自分がしもべだという立場への不満、自己の怠慢を弁護し、それを主人のせいにしている、幼い、自己中心の人間性が見えてくる。清められていない、幼い、肉的クリスチャンの姿。しかし、良いしもべは、主人が使うのは当然の権利とし、しもべであることを不満と思わず、自分の忠実な働きによって主人が喜んでくれる喜びを自分の喜びとして励んだ。神のみ心に従うことを喜びとし、主を自分の喜びとする霊的なクリスチャン。誰でも最初から立派な、主に喜ばれるクリスチャンになれない。日々の信仰生活、霊的訓練が必要。祈り、聖書を読む、御言葉を行う、奉仕、信仰者との交わり…毎日の積み重ねが、大きな力になる。2009年1月15日にアメリカの飛行機が離陸直後に両エンジンがすべて停止するという危険な状況に陥った。しかし、機長がハドソン川に飛行機を着陸させ、155人全員の命が助かった。「ハドソン川の奇跡」の一番の原因は、機長が1万9千時間の飛行経験を持っていたことだった。豊かな経験があったからこそ、危機的状況でも素早く、賢い判断をし、実行できた。信仰も同じである。毎日誘惑、危険、信仰から離れさせて、以前の生活、考えに戻そうという強い力が働く危機的なこの世にあって、賢く、安全に歩むためには、信仰の経験と、訓練が必要である。日々、神と交わるため、昨日よりも今日、信仰が成長するため、毎日祈り、聖書を読み、御言葉を行う訓練をしよう。 結論 御言葉を通して、人生の決算日があること、その日の為に、今、中間決算をすること、中間決算をするにあたって、自分の賜物の再認識、目標から目を離さないこと、日々霊的訓練をすることを教えられた。今まで失敗が多かったとしても、今日中間決算をして、新たに本決算に向かおう。毎日毎日、終わりの日が近ずいている。終わりをよく迎えられるよう、毎日を大切にしよう。自分自身と信仰を整理整頓し、この年をよく終わり、良いしもべとしてタラントを用い、新しい年を始めよう。
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